少し前の話ですが、北京からほど近いところにある習近平政権肝いりの「雄安新区」に行く機会がありました。下見も合わせると2回行きました。雄安新区は情報が限られているので、行き方や見どころなど、以下まとめておきます。NEXT深センを目指す「雄安新区」を訪問してみたい方の参考になればと思います。
そもそも雄安新区とは
2017年4月1日に国家プロジェクトとして位置付けられた19番目の国家級新区になります。深セン経済特区や上海浦東特区などの成功例に引き続き、世界レベルの都市クラスターを作っていくことが目標と言われます。
北京中心部から110キロほど南にあるアクセスの良さから、北京の非首都機能の移転先として、テクノロジー企業や研究機関が集積する見込みになっています。当初の開発区域は100キロ平方メートルですが、将来的には深セン並みの2,000キロ平方メートル/人口1,000万人規模の巨大都市になることを目指しています。北京は人が溢れており、住宅、医療など都市問題が起きているので、その解決策として雄安新区の活用が期待されています。
雄安新区へのアクセス
雄安新区は北京の非首都機能の移転先として期待されていることからわかるように北京からのアクセスがとても良いです。北京から約110kmで着くことができます。
アクセスは電車か車になります。
電車の場合、北京南駅から最寄り駅の白洋淀駅までは約1時間半で着きます。ただ、本数が少なく直通は1日2本。ただし、料金は片道600円程度で安いのは魅力的です。
結局、私は2回とも車で向かいました。1度目はDiDi、2回目は貸し切りバスを使いました。少人数であれば、DiDiでピンポイントで目的地まで向かってもらえるのでベストですね。高速道路に乗って、約2時間で到着します。料金は私が乗ったときには片道9,600円(600元)。電車に比べると10倍以上してしまいますが、4名は乗ることはできますし、駅に着いてからタクシーに乗る手間が省けますので、とても楽でした。
DiDiが普及していなかった5年前に中国に私いましたが、今となってはどうやって生活していたのか思い出せない。。。DiDiのおかげで本当に生活変わりました。便利すぎる。
雄安新区には専用の電動バスで入る
現在の雄安新区の中には電気自動車しか入れません。指定の駐車場があり、そこで止められることになるのですが、そこから専用の電動バスを使って中に入ります。無料です。
初めて行った際はその専用バスの乗り場がどこにあるのか、良くわからなかったのです。なので迷ってしまいました。ドライバーも雄安新区に行く機会は少ないでしょうし、さらに雄安新区もあちこちで工事中で、通行禁止スマホの地図通りにことが運ばないのです。仕事で視察とかの場合、焦ること必至ですので、気をつけましょう。おすすめしたいのはDiDiで行き先を決める時にここを指すことです。
ここに乗り付けてもらえれば、専用バスの乗り場まですぐです。ちなみに大型バスを駐車させるときは事前に登録が必要なので、バスの手配をお願いした旅行会社に手続きしてもらうと良いでしょう。
雄安新区のなにが見どころなのか
現在の雄安新区は今後の都市計画を知るためのショーケース的な意味合いが強いです。雄安新区の世界観を知るために視察するというのが現状ではないでしょうか。
その中で、面白かったものを以下ご紹介します。
雄安新区のプロモーション動画
雄安新区都市計画の宣伝プロモーションビデオを雄安新区内の映画館で見ることができます。料金は1人8元です。これまで河北省政府などが作った3本のプロモーションビデオをぶっ続けで観るというものです。上映時間は全部で約30分です。なぜかそのうち1本はYouTubeで(しかも英語字幕付きで)見られるので、正直映画館で見なくてもYouTubeで見て、予習した方が英語で分かりやすいのではないかと思います。基本がらがらなのですが、地方から団体見学が来ると、一時的に映画館が混むのでご注意を。スケジュールは以下の通り(2019年11月現在)なのでついたら、先にチケット買ってしまうと良いでしょう。
9:30〜10:00
10:10〜10:40
10:50〜11:20
11:30〜12:00
12:10〜12:40
12:50〜13:20
13:30〜14:00
14:10〜14:40
14:50〜15:20
15:30〜16:00
16:10〜16:40
16:50〜17:20
17:30〜18:00
無人バス
百度が作った無人バスに乗車することができます。北京の海淀公園で乗ることもできるのですが、ここ雄安新区でも乗ることができます。乗るためには事前予約が必要で、ここから予約することができます。7人乗りの無人バスなので、3日前に予約できたはずなので、訪問日が決まっていれば、予約する方がいいでしょう。ただし、そこまで混んでない印象です。
無人スーパー
無人スーパーは2つあります。京東(JD.com)系のスーパーと銀聯カード系のスーパーがあります。京東の無人スーパーの方が顔認証で入店→買い物→決済できるので、洗練されている感じがあります。一方銀聯カードのお店は買い物してる様子が窓ガラスで外から見やすいので、視察する場合は盛り上がります。
雄安新区の現状は、あくまでこういう世界を作りたいという政府の箱物が印象的です。現在オフィスエリアに進出している企業は中国の大手企業(日本は日立が進出)で、今後のビジネスチャンスを踏まえてのお付き合いといった感じが拭えません。ただ、ここ10年で激変した深センの様に、大きな変化を遂げていく可能性もあります。10年後に「10年前に来たときには何もなかったんだよな〜」と言いたい方にはおすすめです。実際、北京と雄安新区の間に北京大興国際空港が完成。今後は雄安新区と同空港を結ぶ高速鉄道の計画も進んでいます。
雄安新区訪問自体は1日あれば十分ですので、北京での視察や観光に飽きてしまった場合、見に行くのはありかもしれません。レア感があるので、結構おもしろかったです。
ご質問や私も行きたい!などあれば、お問い合わせください。