こんにちは、小林(@hirotakehk)です。
2018年9月23日、広深港高速鉄道が開通
中国の高速鉄道ネットワークが、香港に乗り入れたという形になります。
これまでは、ホンハム駅から深センまで最低45分かかっていた乗車時間が一気に14分まで短縮されることになります。
また、中国の高速鉄道ネットワークを使えば、中国約44都市の主要都市まで乗り換えることなく行けることになります。
広深港高速鉄道で乗り換えなしで行ける44都市の一覧

以下が高速鉄道で行ける中国各地44都市のリストです。
広深港高速鉄道(短距離線) | 福田、深圳北、光明城、虎門、慶盛、広州南 |
長距離線 | 北京西、長沙西、潮汕、潮陽、郴州西、福州、貴陽北、桂林西、杭州東、衡陽東、鮜門、惠東、惠州南、角美、金華、昆明南、南昌西、葵潭、陸豐、上海虹橋、石家莊、普寧、莆田、泉州、饒平、上饒、汕尾、韶關、深圳坪山、武漢、廈門、鄭州東、廈門北、雲霄、漳浦、漳州、詔安、株洲西 |
主要都市には北京・上海といった大都市はもちろんのこと、昆明・桂林といったこれまでアクセスが少し難しかった観光地に行きやすくなります。
今回は早速高速鉄道に乗って、深センに行ってみましたのでその内容を報告します。
なお時刻表は香港MTRのホームページでダウンロードすることができます。
広深港高速鉄道の乗車券購入はMTR公式サイトが便利
購入方法は香港の鉄道運営会社である香港MTR公式サイトに記載されていますが以下の通りとなります。自動販売機が設置されていますが、外国人は使えないため省略しています。
- 香港 MTR のホームページ
- 香港西九龍駅のチケットカウンター(30分前まで購入可能とのこと。香港で入/出境審査があるのでかなり時間ぎりぎりになります。当たり前ですがイミグレーションはMTRの出発時間を考慮するわけじゃないので、余裕を持って買いましょう。)
- 旅行代理店
- 電話予約
注意としてはホームページであっても毎日午前6時から午後11時30分(香港時間ですので、日本にいる場合マイナス1時間してください)までしか予約をすることはできません。
私は MTRのホームページで購入してみましたので、その様子を説明します。
MTR High Speed Rail https://www.ticketing.highspeed.mtr.com.hk/its/?lang=en
日付、目的地などを決めてスケジュールにあった電車を予約してください。支払いにはVISA、マスターカード、銀聯カード(ユニオンペイ)が使えます。
中国の高速鉄道に乗るためには実名の身分証明書が必要です。予約サイトでは航空券同様、乗車する人の名前を記載する必要があります。
私の場合、日本の楽天カードを使って購入したのですが、上手く決済することができませんでした。別に持っている香港発行のクレジットカードで決済しました。もし日本のクレジットカードを使ってうまく決済できた方がいれば教えていただけますと幸いです。
2018年11月15日追記 日本在住でこの記事を読んでくれた方から日本の VISA カードで決済ができたとご報告をいただきました。できるようです。
なお、チケットは発車45分前まで、時間や日時を変更可能とのことです。
何度か乗って気づいたのですが、香港西九龍駅発着の列車のみホームページで購入可能です。福田駅から広州南駅など、中国大陸内のみの切符はMTRのホームページでは買えません。
広深港高速鉄道に乗るための香港西九龍駅へのアクセス

高速鉄道の香港側の唯一の駅は香港西九龍駅という所になります。
香港西九龍駅への主要アクセスは以下の通りです。 MTR東涌線の九龍(Kowloon)駅 もしくは MTR西鉄線の柯士甸(Austin)駅 双方、香港西九龍駅に直結しています。
香港一の巨大ターミナル駅と言っても良い規模です。

駅は地下にあります。オンラインで予約した場合は駅に着いたら切符を受け取る必要があります。カウンターでピックアップしてください。
なお、サイトの予約完了時には「45分前までにカウンターでチケットをピックアップしてください」と書いてありましたが、そこまで厳密ではありませんので安心してください。ただ、後述しますが、香港西九龍駅で行われる香港の出境手続き、中国の入境手続きが時間がかかるため、時間には余裕を持って来たほうが良いです。
良くあるミスとしては、香港MTRのサイトでチケット予約した際、深センから香港に向かう列車のチケットも、香港西九龍駅で事前に受け取る必要があります。

なお、出発階で12306という看板をたくさん見ますが、これは中国側のオンライン予約サイトの名前になります。これは列車番号などではありません。気にしないでください。
香港西九龍駅での香港出境手続きと中国への入境手続き

出境時には荷物検査があります。
その後、香港西九龍駅では香港の出境手続きに加えて、中国側の入境手続きも行われます。入境審査後は中国国内の法律が適用されることになります。鉄道内も香港にいても、中国国内の法律が適用されます。入境手続きの施設は、羅湖や福田のデザインそのもの。香港の中でこの色使いを見るのは不思議な感じです。
香港にいながら、中国側の入境手続き後は、中国大陸の法律が適用されることには香港市民から反発も多くありました。

香港西九龍駅内にある香港側と中国大陸側のボーダーは写真スポットになっています。
これにより深センやその他の中国都市についた時には、入国審査がない形になります。
中国の入境手続きの担当官は、実際中国大陸から派遣されている人達です。入境手続きの担当者が少ないことが気になりました。かなりの人が並んでいます。入境手続きが遅れた場合、時間通り電車に乗ることができなくなります。実際、私は乗れませんでした。当たり前ですが 入境審査官が電車に遅れるからと言って手続きを急いでくれるわけではないので注意が必要です。

この場合、入境手続き後にチケットカウンターが進行右にあるので改めてチケットを自己負担で買う必要があります。泣けます。

入境手続きが終わると香港のMTRの建物に戻り、アナウンスも広東語が最初に行われ、また香港に戻ったようでほっとします。ただ駅構内には中国の交番が設置されており、ここの法執行は中国大陸法に基づいて行われることになることに気付かされます。香港で使われる繁体字と中国大陸で使われる簡体字が混ざっている奇妙な空間です。

時間が近づくとプラットホームに向かいます。

きれいな電車です。短距離線の多くは香港の地下鉄・鉄道運行会社MTRが動感号という名前で運行しています。

行きは一等車にのりました。足元は広いのですが、14分だと二等車で全く問題ないなという感想です。

電車に乗ると14分で福田駅に到着します。この間の最大速度は時速約200キロ。電車に乗車後、息をつく暇もなく到着します。

福田駅に到着。入国手続きが香港側で済んでいるため、降りたらすぐに駅から出られます。いつもの中国が広がっています。
これはこれまでにないタイムスリップしたような気持ちになります。
今までの場合、1時間近くかけて電車に乗って、香港側の終点に到着した上で。入境手続きをしていたので。その手続きがないことがタイムスリップしたような気持ちを呼び起こします。

福田駅は福田の中心部にありますので、深セン最大のコンベンションセンターである会展中心など直結しています。最高のロケーションです。展示会に出展、参観する人にとっての利便性は極めて高いですね。
また、羅湖方面、南山方面に行くにしても、福田はその中心にあるので、比較的短時間で深セン内を行き来できるのも便利です。
福田駅から香港西九龍駅まで広深港高速鉄道で戻る

福田駅からパスポートと切符を見せた上で駅構内に入ります。その後、荷物検査を経て電車に乗る形になります。ここでも出境手続きは必要ありません。面倒な作業は全て香港に戻ってから行う形になります。

これが二等車の車内の模様です。足元は一等車に比べて、少し狭く感じましたが、とはいえ十分なスペースが確保されています。14分という短距離であれば全く問題ありません。
香港到着後に中国側の出境手続きと香港側の入境手続きを合わせて行います。今回は約20分で全ての手続きを終えることができました。
何度か乗ってみて感じたのですが、この中国側の入境手続きや出境手続きは鬼門です。時間によっては係員が1名しかいないこともあり14分で福田から香港西九龍駅に戻ってきても30分近く待たされることもありました。係員の増員など対応の改善を望みたい所です。

香港西九龍駅は香港随一規模のターミナル駅となりました。フードコートなど、充実した施設になっています。日本でも人気のミルクティーショップ春水堂。世界一安いミシュランとしても有名な飲茶レストラン添好運などたくさんのテナントが入っています。旅行客以外も入れますので観光地としても人気が出そうです。
今回、高速鉄道を使って深センまで旅をしてみましたが、中国に着いて入境手続きをせずに、すぐに移動できることはとても効率的に感じました。特に福田周辺でビジネスがある方にとってはこの高速鉄道はとても便利です。また中国各都市へのアクセスも大変良くなりました。深センでビジネスする際にはうまく活用してみて下さい!