中国にいても、大きな国ですから、経済活動の全貌なんて見えるわけもないですし、聞いたことないけど、実は業界のトッププレイヤーだったりすることもあります。中国にある日系企業ですら、どこに拠点があるのかとか、(現地トップである董事長や総経理はともかく)誰が董事なのか、などは企業の公式サイトや日本の新聞の人事情報では知ることはほとんどできません。
そんな時に役に立つのが企業情報を調査する専門サイトです。日本だと帝国データバンク企業情報の様なサービスです。私も日本で働いていた時に新規の取引先企業の情報を取ったことがあります。中国でも、似たようなサイトはあります。それが今日紹介する天眼查です。
アンドロイドアプリは公式サイトや中国のアプリストアからダウンロードできます。
良いサービスなのですが、中国以外からのアクセスは制限されています。アプリも中国国内の携帯番号で登録が必要で、香港も含めて、海外からのアクセスは制限されています。これは政府の重要データに関する越境データ規制が影響していると思います。
天眼查でできること

中国にあるあらゆる企業(約3億社対象)の統合データベースと考えてください。国有企業はもちろん、民間企業、日本や欧米を含む外資企業もカバーされています。
データは市場監督局提供の国家企業信用情報公式公開システム、中国裁判書ネットなど公的機関のデータソース 、インターネットのクローリング、第三者のデータベースを統合して提供されています。
例えば、中国のスターバックスで検索してみるとこんな感じです。

企業概要(公式サイト、住所、代表メールアドレス、代表番号)、株主、経営幹部、知的財産、税務の信用ランクなどの情報がわかります。また、最新の報道や求人情報もわかります。
有料機能(VIP機能)を使うと例えば、現在の係争中の訴訟、競合会社情報など新規取引先、提携先の初期情報収集としては便利な情報が天眼查の一つのプラットフォームの中で一覧してみることができます。
有料機能は今後も機能が増えて金額も変わると思いますので、詳細は控えますが、通常のVIPであれば、月30元(600円)程度で、個人負担ができる金額感です。
天眼查の類似サービス
天眼查以外にも類似サービスが複数あります。天眼查は市場シェアが80%近くあり、業界のリーダー的役割を果たしていますが、その他にも企查查や启信宝などの似たようなサービスが存在しています。
企查查: 企業の人気ランキングや経営者の人気ランキングで差別化を図る
启信宝: 金融機関、弁護士などのプロフェッショナル向けのBtoBサービスにおいて一定の強み
など、それなりの差別化もされています。ご自身の仕事内容に応じて、他のアプリを検討してもいいですね。
とはいえ、天眼查は①無料ではじめられること、②アプリも使いやすく快適など、中国で仕事をする上では便利なアプリなので、興味ある人は使ってみてください。